処方されたニキビの塗り薬を冷蔵庫から取り出す日本人女性

デュアック配合ゲルはすごい?効果・経過・白ニキビへの実力と冷蔵庫保存の実務を「原文」で解説

デュアック配合ゲル(クリンダマイシン1%/過酸化ベンゾイル3%・サンファーマ)は、皮膚科で処方されるニキビの塗り薬です。検索すると「すごい」という声と「副作用がひどい」という声の両方が見つかります。この2つは同じ成分の働きの表と裏で、評価が割れやすいのは、製薬会社の資材が「特に注意」とする使い始めの2〜3週間です。

この記事では、添付文書・インタビューフォーム・PMDA審査報告書・再審査報告書・製薬会社の資材・日本皮膚科学会ガイドライン2023の原文にもとづいて、効果の根拠と数字の出典、白ニキビへの推奨度の「条件」、週ごとの経過、やめたあとの設計、そしてベピオやダラシンとは違う「冷蔵庫保存」の実務まで、中立の立場で整理します。

  • 公開日: 2026年9月3日
  • 最終更新日: 2026年9月26日

結論:デュアック配合ゲルの要点 早見表

デュアック配合ゲルの要点を整理した早見表の図解
項目内容(添付文書・ガイドライン原文にもとづく)
成分クリンダマイシン1%(抗菌薬)+過酸化ベンゾイル3%(抗菌作用・角質剥離作用)
効能・効果尋常性ざ瘡(適応菌種: ブドウ球菌属・アクネ菌)。結節・嚢腫は「他の適切な処置」
ガイドライン炎症性皮疹(中等症〜重症)に推奨度A。炎症性皮疹と混在する面皰にもA。維持療法には推奨しない
使い方1日1回、洗顔後、患部に適量。塗りすぎても「上乗せ効果は期待されず」
効果判定「12週間で効果が認められない場合には使用を中止」
炎症が消えたら「他の適切な維持治療を検討」(=別の薬へ交代)
副作用発現率24.0%(1日1回群)。主に乾燥・接触性皮膚炎・かゆみ・顔面痛・赤み。重大な副作用として大腸炎(頻度不明)
保存冷蔵庫(2〜8℃)。凍らせない。未開封なら25℃3か月・30℃1か月の安定性データあり(製造後約1か月のロットでの試験)
薬価95.90円/g(10gで3割負担約288円)。ジェネリックなし
市販なし(処方箋医薬品)

デュアック配合ゲルとは:国内初の「抗菌薬+過酸化ベンゾイル」配合剤

2つの有効成分を配合した薬であることを示す図解

デュアックは、外用抗菌薬のクリンダマイシン(ダラシンTゲルの成分)と、抗菌作用と角質剥離作用を持つ過酸化ベンゾイル(ベピオゲルの成分)を1本にした薬です。インタビューフォームは「国内初の、CLDMとBPOを配合した外用尋常性ざ瘡治療薬」と位置づけています。

  • 承認: 2015年3月26日、発売: 2015年7月(インタビューフォーム)。承認申請者はグラクソ・スミスクラインで、2016年4月にポーラファルマ、2020年1月にサンファーマへ承継されました(PMDA再審査報告書)。現在の製造販売元(輸入)はサンファーマです
  • 海外: 過酸化ベンゾイル5%の配合ゲルは1999年にメキシコで初めて承認され、80以上の国・地域で承認されています。日本と同じ3%配合は2012年4月にカナダで初めて承認され、英国・ドイツを含む16か国で承認されています(いずれも2014年8月時点・インタビューフォーム)
  • なぜ3%なのか: PMDAの審査報告書に記載された申請者の説明では、過酸化ベンゾイルは濃度に応じて皮膚刺激性が強まる一方、有効性は「2.5~10%の濃度範囲内では同程度であることが報告されていた」。そのうえで海外の第II相試験から「2% BPOでは有効性の観点から不十分であり、4%を超えるBPOでは安全性の観点から問題となりうることが示唆された」とし、防腐の働きを確かめる試験(保存効力試験)で3%の処方が適合したことも合わせて、3%を選んだとしています。5%配合と同程度の有効性を保ちながら、皮膚刺激のリスクを減らす狙いです

配合の狙いは、インタビューフォームの原文でこう説明されています。「CLDMにBPOを配合することにより、非炎症性皮疹から炎症性皮疹への進展を防ぎ、炎症性皮疹の重症化を阻止することができると考えられている」。

「すごい」と「ひどい」の根は同じ:過酸化ベンゾイルの表と裏

効果と刺激が同じ成分の働きの表と裏であることを示す図解

ネットの評価は、効きの速さを挙げる声と、赤みや腫れを挙げる声に分かれます。どちらも同じ成分の働きから説明できます。

  • 効く理由: 過酸化ベンゾイルは細菌の構成成分を酸化して抗菌作用を示し、角質剥離作用も持ちます。そこにクリンダマイシンの抗菌作用が重なります(インタビューフォーム)。国内第III相試験では、塗布2週間で炎症性皮疹数が平均56.3%減っています(1日1回群)
  • 荒れる理由: 過酸化ベンゾイルは用量に応じた皮膚刺激性を持つことが知られています(インタビューフォーム)。添付文書は「皮膚剥脱、紅斑、刺激感、腫脹等があらわれることがある」とし、製薬会社の患者向け資材は「主な副作用は、デュアック配合ゲルの塗りはじめにあらわれることが多いので、使用開始から数週間は特に注意」「塗りはじめの2〜3週間は特に注意」と説明しています。患者向けのガイドブック(2020年8月作成)には「1ヵ月ごろまではカサカサ・ガサガサや赤みが出ることがあります」とあります

つまり「すごい」と「ひどい」は同じ成分の働きの表と裏で、効果と刺激が同じ時期に出ることがあります。使い始めの時期の注意点(保湿・塗る量・中止の目安)は後述します。

効果の根拠:推奨度Aと臨床試験の数字(出典つき)

ガイドラインの推奨度Aと、臨床試験で12週後に炎症性ニキビが大きく減ったことを示す図解

ネット上には出典の示されていない数字も見られるため、添付文書・審査報告書・ガイドラインなど一次資料の数字を出典つきで整理します。

  • ガイドライン2023 CQ1: 「炎症性皮疹(中等症から重症)に,クリンダマイシン1%/過酸化ベンゾイル3%配合ゲルを強く推奨する」——推奨度A。中等症とは片顔の炎症性ニキビが6〜20個、重症は21〜50個です
  • 国内第III相試験(12週・クリンダマイシン単剤との比較): インタビューフォームによると、炎症性皮疹数は「塗布2週間で56.3%、12週間で81.0%減少」(平均値・1日1回群)。PMDA審査報告書の表では、12週後の減少率(中央値)が本剤1日1回群で炎症性皮疹88.6%・非炎症性皮疹76.2%・総皮疹80.6%、クリンダマイシン1%ゲル(1日2回)群で82.4%/68.5%/71.2%でした。この試験では1%クリンダマイシンゲルに対する本剤(1日2回群)の優越性が検証され、審査報告書は「CLDM単剤に対するBPOの配合意義は示されていると考える」と判断しています
  • 1日1回と1日2回の比較: 審査報告書は「本剤1日1回群の有効性は本剤1日2回群と同様であった」とし、副作用の発現率は1日1回群24.0%・1日2回群35.1%でした(添付文書)。これらを踏まえて、承認された用法は1日1回です(ガイドライン解説にも同じ発現率の記載があります)
  • 再審査(2025年・PMDA再審査報告書): 市販後の使用成績調査では、担当医師による有効性総合評価で「有効」が88.2%(有効性解析対象1,472例中1,298例)。副作用の発現割合は10.1%(安全性解析対象1,489例中150例)でした

まとめると「赤ニキビ中心の中等症〜重症に、根拠のはっきりした第一線の薬」。ただし、次の項目のとおり守備範囲には条件があります。

白ニキビに効く?:「混在型」ならA、「面皰だけ」は推奨文の対象外

白ニキビへの推奨度の条件を示す図解

「デュアックは白ニキビにも効く」と書く記事もありますが、ガイドラインの推奨文には条件が付いています。原文を引きます。

炎症性皮疹と混在してみられる面皰に,クリンダマイシン1%/過酸化ベンゾイル3%配合ゲルを強く推奨する.なお,炎症性皮疹軽快後の維持療法としては推奨しない.(CQ21・推奨度A)

ポイントは「炎症性皮疹と混在してみられる面皰」です。赤ニキビと白ニキビが混じっている人には推奨度Aですが、白ニキビ(面皰)だけの人に対する推奨ではありません。CQ21の根拠となった臨床試験2件は、いずれも対象が「中等症から重症の炎症性皮疹を有する痤瘡患者」でした。また、ガイドラインは面皰に対して外用抗菌薬を「推奨しない」(CQ22・推奨度C2)としています。

白ニキビだけの段階なら、ガイドラインで面皰に推奨度Aのアダパレン(ディフェリン)や過酸化ベンゾイル単剤(ベピオ)、その配合剤(エピデュオ)が守備範囲です。「デュアックを白ニキビに塗ってよいか」は、赤ニキビが混じっているなら推奨度A、白だけならガイドラインが推奨する候補は別の薬、というのがガイドラインの推奨文に沿った整理です。実際に何を使うかは処方医が判断します。

経過の目安:週ごとのタイムラインと「12週」の判定

塗りはじめから1か月ごろまでは刺激が出やすく、12週で効果を判定し、炎症が消えたら維持薬へ交代する流れを示すタイムライン図解

「経過」を知りたい人向けに、添付文書・インタビューフォーム・製薬会社の資材から組み立てられる時間軸を示します(個人差があり、日数の保証はありません)。

時期目安根拠
〜1か月(特に使い始めの2〜3週)副作用が出やすい時期。かさつき・赤み・かゆみ・ヒリヒリ資材「塗りはじめの2〜3週間は特に注意」「1ヵ月ごろまではカサカサ・ガサガサや赤みが出ることがあります」/インタビューフォーム: 主な副作用のほとんどが4週時までに発現(国内第III相試験)
2週炎症性皮疹が平均で約半分に(56.3%減・1日1回群)インタビューフォーム
3か月(12週)判定。「12週間で効果が認められない場合には使用を中止」添付文書
炎症が消えたら他の維持治療へ交代。「炎症性皮疹が消失した場合には、他の適切な維持治療を検討」添付文書
12週を超える使用「有効性及び安全性は検討されていない」ため、続けるかは慎重に判断添付文書

製薬会社の患者用資材も「デュアックは、3ヵ月を目安に使用します」としています。「効いているのに3か月でやめるの?」と思うかもしれませんが、添付文書も炎症性皮疹が消失したら「他の適切な維持治療を検討」するよう求めており、急性期に使う薬という位置づけです。そのあとは別の薬にバトンを渡すのが前提です。

やめたら再発する?:維持療法に使えない理由と「バトンタッチ」

急性期から維持期へ薬を切り替える設計を示す図解

ガイドラインは、急性期の炎症を抑えたあと維持期の治療へ切り替える流れを示しています。「デュアックをやめたらニキビが戻った」と感じたときは、この切り替えができているかを処方医と確認してください。

  • ガイドラインCQ1の解説は「CLDM1%/BPO3%の長期維持療法は,現在のところエビデンスはなく,CLDM外用の長期連用によってC. acnesが抗菌薬耐性を獲得する可能性があるため,推奨しない」と明記しています。添付文書も「耐性菌の発現等を防ぐため、疾病の治療上必要な最小限の期間の使用にとどめること」
  • ガイドラインの治療設計は「急性炎症期の治療期間は最大3カ月間を目安として,維持期の治療へ移行する」。維持期については「軽快した状態を維持するため,面皰と微小面皰に対する治療を継続し,再発あるいは継続する炎症性皮疹には耐性菌誘導の懸念のない薬剤を選択する」としています。炎症軽快後の寛解維持に推奨度Aとされているのはアダパレン0.1%ゲル・過酸化ベンゾイル2.5%ゲル(ベピオ)・その配合ゲル(エピデュオ)です(CQ27〜29)

つまりガイドラインに沿った流れは、デュアックで急性期を最大3か月を目安に治療する → ベピオやアダパレンなどで維持する、です。薬を「やめる」のではなく「替える」という前提を、処方医と共有しておくとよいでしょう。

なお「ベピオとダラシンを別々に塗るのとどう違う?」という疑問については、ガイドラインは「配合剤と併用療法を上位に置き,2者の間ではコンプライアンスの観点から配合剤を上位に置いた.配合剤間の優劣は評価していない」としています。効果の優劣ではなく、1本で塗れて続けやすい(コンプライアンス)点が配合剤の利点、という位置づけです。

維持療法の主役になるアダパレン単剤(ディフェリンゲル)の効果の時系列・刺激の経過・続け方は、ディフェリンゲルの記事で整理しています。

正しい使い方:1日1回・洗顔後・「第一関節の長さで顔半分」

デュアック配合ゲルを塗る量の目安として、人差し指の第一関節まで(約0.3g)で顔の半分に塗ることを、おでこ・顔全体の目安と並べて示す図解

添付文書の用法は「1日1回、洗顔後、患部に適量を塗布する」。製薬会社の患者向け資材が、量と注意点を具体的にしています。

  • 量の目安: 「人差し指の第一関節の長さが、顔の半分に塗る量(約0.3g)」。ニキビとその周辺に広げるように塗る
  • 塗りすぎは逆効果: 添付文書「過度に塗布しても上乗せ効果は期待されず、皮膚刺激が増すおそれがある」。1日2回に増やしても有効性は1日1回と同様で、副作用の発現率は高くなった(前述の臨床試験)
  • 塗ったら手を洗う。添付文書は「本剤は、毛髪や着色・染色された布織物を退色させるおそれがある」としているので、髪の毛・眉毛、衣類などの布製品(タオルや枕カバーなど)、絨毯・家具に付けない
  • 塗らない場所: 「口腔、眼、口唇、その他の粘膜、刺激及び傷のある皮膚には使用しないこと」
  • 紫外線: 「日光への曝露を最小限にとどめ、日焼けランプの使用や紫外線療法は避けること」
  • 他のニキビ外用薬との併用は刺激感が増すおそれ(添付文書)。処方医の指示なしに重ねない
  • 保湿剤: 製薬会社の指導箋は「皮膚が乾燥したり、赤くなった場合には、保湿剤を使用することをおすすめします」としています

化粧水との前後関係や、塗った上からメイクをしてよいのかといった実務の論点は、デュアック配合ゲルの塗り方の記事にまとめています。添付文書に規定があることと、メーカーの指導資材にだけ書かれていることを分けて整理しました。

冷蔵庫保存の実務:一晩・数日・旅行はどうなる?

開封後も冷蔵庫で保存し、室温に置いてよいのは未開封のものを短期間に限ることを示す図解

デュアックの添付文書の貯法は「2〜8℃で保存」。ベピオ(25℃以下)やダラシン(室温)と違い、冷蔵庫に入れる薬です。「出しっぱなしにした」「旅行に持って行きたい」という不安に、添付文書・インタビューフォームと製薬会社の公表データで答えます。

  • 製薬会社の資材(Guide Book 医療関係者用・2024年10月作成)の安定性試験のまとめ: 2〜8℃で36か月、25℃で3か月、30℃で1か月(いずれも製造後約1か月のロット)で「全ての試験項目において変化なしか規格内」。メーカーのQ&Aは、これを開封前のデータとして案内しています。指導箋は「冷蔵庫(2~8℃)で保管してください」「凍らせないでください」
  • インタビューフォームの安定性データ: 25℃で3か月までは規格内、6か月でクリンダマイシンが規格外。30℃では2か月でクリンダマイシンが規格外

ここから言える実務の目安です。

状況目安
未開封のまま一晩〜数日、室温(25℃前後)に出しっぱなし安定性データ(25℃で3か月)の範囲内。冷蔵庫に戻して使えます。メーカーのQ&Aが示す安定性データは開封前のもので、開封後も2〜8℃での保管を求めています(2026年9月26日確認)。気になる場合は薬剤師に相談してください
旅行・出張(数日〜1週間)保冷バッグなどで持ち運び、宿泊先に冷蔵庫があれば入れる。真夏の車内など高温になる場所に置かない
冷凍庫・凍結不可(「凍らせないでください」)
開封後の使用期限メーカーは「開封後の使用期限の設定はしていません。開封後は早めに使い切るようにしてください。」としています(サンファーマ医療関係者向け製品ページのQ&A、2026年9月26日確認)。参考として、英国の製品情報(SmPC)では、薬局で受け取った後(調剤後)の使用期間は2か月、調剤後は25℃を超えて保存しないとされています。以前に処方された古いチューブを使い回さないのが無難です

もうひとつ、冷蔵保存を守る理由があります。2026年2月、製薬会社は医療機関向けの文書で、デュアックのベンゼン(発がん性物質)濃度について「貯法が遵守され、かつ使用期限内に使用される限り」ICH-Q3C(医薬品の残留溶媒ガイドライン)の濃度限度値(2ppm)をはるかに下回ると評価したうえで、患者への保管条件と使用期限の説明を依頼しています。冷蔵保存は品質のためだけでなく、安全のためでもあります。

副作用:発現率24%。塗りはじめに多く、広がる赤みは中止

副作用への注意を穏やかに示すイラスト

国内第III相試験(1日1回群204例)の副作用発現率は24.0%。内訳は皮膚乾燥7.4%・接触性皮膚炎5.4%・かゆみ4.4%・顔面痛4.4%・赤み3.9%・灼熱感2.9%・皮膚剥脱2.0%など(添付文書)。同じ試験のクリンダマイシン1%ゲル(1日2回)群は9%でした(インタビューフォーム。治験薬と関連のある有害事象の発現率)。なお、ベピオゲルの国内試験での副作用発現頻度は37.3%ですが、別の試験の数字なので単純には比べられません。

注意すべき記載は3つあります。

  1. 重症化例: 添付文書「紅斑や腫脹が顔面全体や頚部にまで及ぶ症例、水疱、びらん等があらわれ、重症化した症例も報告されている」。塗った範囲を超えて広がる赤み・腫れ、水ぶくれ、ジュクジュクは、使い始めによくある乾燥・赤みとは分けて考え、使用を中止して受診するサインです。添付文書も、異常が認められた場合には「本剤の使用を中止するなど適切な処置を行うこと」としています(ベピオと同じ考え方。見分け方はベピオゲルの副作用の記事が参考になります)
  2. 大腸炎(頻度不明): クリンダマイシンを含むため「限局性腸炎、潰瘍性大腸炎、抗生物質関連大腸炎(偽膜性大腸炎を含む)等の大腸炎、出血性下痢」が重大な副作用として記載されています。市販後の使用成績調査(安全性解析対象1,489例)では大腸炎(抗生物質関連大腸炎を含む)の副作用は0例でしたが(PMDA再審査報告書)、添付文書は長引く下痢や重い下痢、血の混じった下痢、腹痛(腹部疝痛)が出た場合に直ちに使用を中止するよう求めています。使用中に続く下痢や腹痛が出たら中止して受診してください
  3. 妊娠・授乳: 妊婦は「治療上の有益性が危険性を上回ると判断される場合にのみ使用」。授乳中は「授乳の継続又は中止を検討」(患者向医薬品ガイドは「授乳を避けてください」)。12歳未満の臨床試験はありません

併用注意として、エリスロマイシン含有製剤(本剤の効果が減弱する可能性)、末梢性筋弛緩剤(神経筋遮断作用が増強する可能性)、外用スルホンアミド製剤(同じ部位に重ねて塗ると皮膚や顔毛が一時的に黄色〜橙色に変色する可能性)が挙げられています(添付文書)。

製薬会社の資材がすぐに中止して相談する目安として挙げる症状(赤みやかゆみが強い・ジュクジュクする・ただれている・ひどく腫れる など)によるかぶれの見分け方、休薬・ステロイド処方など医師の対応、塗り薬でも起こりうる大腸炎の注意はデュアック配合ゲルの副作用の記事で詳しく整理しています。

値段とジェネリック:95.90円/g、後発品なし

デュアック・ベピオ・エピデュオ・ダラシンTの1gあたりの薬価を比べ、デュアックに後発品がないことを示す図解

厚生労働省の薬価基準収載品目リスト(令和8年8月13日適用)で整理します。薬剤費のみの計算値で、別途診察料・調剤料がかかります。

製剤成分用法薬価10gの3割負担
デュアック配合ゲルCLDM1%+BPO3%1日1回95.90円/g約288円
ベピオゲル2.5%BPO単剤1日1回84.90円/g約255円
エピデュオゲルアダパレン0.1%+BPO2.5%1日1回(夕〜就寝前)83.50円/g約251円
ダラシンTゲル1%CLDM単剤1日2回19.60円/g約59円
  • デュアックにジェネリックはありません(令和8年8月13日適用の薬価基準収載品目リストで、同じ成分の品目はデュアック配合ゲルのみ。インタビューフォームにも「同一成分薬:なし」)
  • 処方箋医薬品なので市販はなく、個人輸入品は貯法(冷蔵)が守られている保証がありません。医療機関で処方を受けてください

デュアックを含む処方外用薬7つの市販可否と、クリンダマイシンのスイッチOTC化が「否」とされた経緯、後発品・薬価の一覧は処方のニキビ薬は市販で買える?の記事にまとめています。

デュアック配合ゲルに関するよくある質問

疑問が解決して安心した表情の日本人女性

Q1. ニキビ跡にも効きますか?

効能は「尋常性ざ瘡」で、跡(赤み・色素沈着・凹み)は含まれません。できた跡を治す薬ではないので、跡については皮膚科で相談してください。

Q2. 朝に塗ってしまいました。夜にもう1回塗っていい?

用法は1日1回です。臨床試験では1日2回群の有効性は1日1回群と同様で、副作用の発現率は高くなりました。患者向医薬品ガイドも「過度に塗っても上乗せ効果は期待されず、皮膚刺激感が強くあらわれることがあります」としているので、その日はもう塗らず、翌日から通常どおりにしてください。塗るタイミング(朝か夜か)は添付文書に指定がありません(メーカーのQ&Aによると、臨床試験では就寝前に塗布)。処方医の指示に従ってください。

Q3. 未開封のまま4日間、常温に置いてしまいました

製薬会社の資料では、未開封で25℃・3か月の安定性が確認されています(製造後約1か月のロットでの試験)。25℃前後の室内なら、冷蔵庫に戻して使えます。真夏の高温環境に長時間あった場合は薬剤師に相談してください。

Q4. ステロイドは入っていますか?

入っていません。成分はクリンダマイシン(抗菌薬)と過酸化ベンゾイルの2つだけです。

Q5. 市販で買えますか?

買えません。クリンダマイシンは厚生労働省のスイッチOTC検討で「否」とされ、過酸化ベンゾイルも、スイッチOTC化の検討会議の結果(課題の整理)は公表済みですが、市販化の可否は示されていません。処方薬の全体像は皮膚科でもらえるニキビの薬一覧で整理しています。

まとめ:「3か月で攻めて、別の薬で守る」ための急性期専用薬

落ち着いた表情で朝の支度をする日本人女性
  • デュアックはクリンダマイシン+過酸化ベンゾイルの国内初の配合剤。炎症性皮疹(中等症〜重症)に推奨度A、国内第III相試験では12週で炎症性皮疹が中央値88.6%減(1日1回群・PMDA審査報告書)
  • 「すごい」と「ひどい」は同じ作用の表裏。副作用(発現率24.0%)は「塗りはじめにあらわれることが多い」(製薬会社の指導箋)。乾燥・赤みには保湿剤がすすめられている。塗った範囲を超える赤み・腫れは中止
  • 白ニキビは「赤ニキビと混在」ならA。白だけならアダパレン・ベピオの守備範囲
  • 12週で判定、炎症が消えたら別の維持薬(ベピオ・アダパレン)へ交代。維持療法に使わない理由は耐性菌
  • 冷蔵庫(2〜8℃)保存。未開封なら25℃3か月の安定性データあり。凍らせない。メーカーは開封後の使用期限を設定しておらず、早めに使い切るよう案内
  • 薬価95.90円/g(3割で10g約288円)・ジェネリックなし

塗布2週間で炎症性皮疹が平均56.3%減ったという試験結果も、副作用の発現率24.0%という数字も、どちらも添付文書・インタビューフォームに載っています。両方を知ったうえで、3か月を目安とする治療の流れを処方医と共有しておくことが大切です。

免責事項

本記事はデュアック配合ゲルの電子添文・インタビューフォーム・患者向け資材・製品ページのQ&A(サンファーマ株式会社)、PMDA審査報告書・再審査報告書、厚生労働省の薬価基準収載品目リスト、日本皮膚科学会「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」等にもとづく一般的な解説であり、個別の診断・治療方針を示すものではありません。症状には個人差があります。治療中の薬の使用方法・中止・変更は、必ず処方医または薬剤師にご相談ください。記事内の薬価・制度情報は2026年9月26日時点のものです。

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