ニキビ跡は「赤み」「色素沈着」「クレーター・しこり」の3タイプに分かれ、タイプによって自然に治るかどうかも、相談すべき先も変わります。本記事では、写真がなくても自分のタイプを判定できる表と、セルフケア・エステ・皮膚科・美容皮膚科の正しい使い分けがわかります。
ニキビそのものの原因と対策は大人ニキビ完全ガイドで解説しています。本記事は「治まった後に残った跡」に絞ってまとめました。
ニキビ跡は種類によって対処法がまったく違います。まずはご自身の跡がどのタイプかを見分けるところから始めましょう。
記事執筆:ニキビ研究所所長 牛尾佳子
監修:院長医師 松永尚也 先生(Share Clinic Tokyo 目黒)
ニキビ跡とは?「跡」になるかは炎症の深さで決まる

ニキビ跡とは、ニキビの炎症が治まった後も肌に残る赤み・茶色い色素・凹凸のことです。炎症のダメージが肌の浅い層(表皮)で収まったか、深い層(真皮)まで達したかで、跡のタイプと回復のしやすさが決まります。
表皮のダメージであれば、肌の生まれ変わり(ターンオーバー)とともに少しずつ目立ちにくくなっていく場合が多い一方、炎症が真皮まで達してコラーゲンなどの肌の土台が壊れると、凹み(クレーター)や硬いしこりとして残り、自然な回復はほとんど期待できなくなります。つまり「自分の跡がどの深さのダメージか=どのタイプか」を知ることが、対処の出発点です。
【自己判定表】あなたのニキビ跡はどのタイプ?

鏡の前で「①色 ②指で触った感触 ③押したときの色の変化 ④ニキビが治まってからの期間」の4点を確認すれば、写真と見比べなくても自分のタイプをおおよそ判定できます。
| 判定ポイント | 赤みタイプ | 色素沈着タイプ | クレーター・しこりタイプ |
|---|---|---|---|
| ①見た目の色 | 赤・赤紫 | 茶色〜こげ茶(シミ状) | 肌色〜白っぽい凹み/赤み・肌色の硬い盛り上がり |
| ②指で触った感触 | 平ら | 平ら | 凹んでいる、または硬く盛り上がっている |
| ③指や透明なもので数秒押したとき | 色が一時的に薄くなることが多い | 色はほとんど変わらない | 色ではなく「形」が残っている(押しても変化なし) |
| ④ニキビが治まってからの期間 | 治まって間もない〜数ヶ月 | 数ヶ月以上残っている | 数ヶ月経っても凹凸が変わらない |
3タイプそれぞれの特徴を確認していきましょう。
赤みタイプ(炎症後紅斑)の特徴
ニキビが治まった後、肌は平らなまま赤み・赤紫色だけが残っている状態で、「炎症後紅斑」と呼ばれます。炎症の名残で拡張した毛細血管などが透けて見えているとされ、3タイプの中では最も自然に薄くなりやすいタイプです。
なお、まだ膨らみや痛みがある赤いニキビは「跡」ではなく炎症中の状態です。炎症中のケアは跡のケアと異なるため、区別して対処してください(詳しくは後述の予防の章へ)。
色素沈着タイプ(茶色・シミ状)の特徴
茶色〜こげ茶のシミのように色が残っている状態で、「炎症後色素沈着」と呼ばれます。炎症の刺激によって作られたメラニン色素が肌に残っているもので、紫外線を浴びると濃くなったり長引いたりしやすい点が特徴です。色素が肌の浅い層にあるか深い層まで落ち込んでいるかで、薄くなるまでの期間が大きく変わります。
クレーター・しこりタイプ(凹凸)の特徴
肌表面が凹んでいる状態(クレーター=萎縮性瘢痕)、または硬く盛り上がっている状態(肥厚性瘢痕・ケロイド)です。肥厚性瘢痕は元のニキビの範囲内で盛り上がるもの、ケロイドは元の範囲を超えて周囲に広がっていくもので、医学的には区別されます。いずれも、炎症が真皮まで達して肌の土台が壊れた、あるいは過剰に修復された結果であり、セルフケアやエステで対応できる範囲を超えた「医療の領域」です。
クレーターには、浅くなだらかな「ローリング型」、深く鋭い「アイスピック型」、縁がくっきりした「ボックスカー型」といった細分類があり、適する治療法が異なります。凹凸が確認できたら、皮膚科・美容皮膚科への相談を前提に考えてください。
複合タイプ・判定に迷うケース
実際には「赤みと色素沈着が混ざっている」「一部にクレーターもある」など、複数タイプが同じ顔の中に混在しているケースが少なくありません。タイプによって対処先が変わるため、自己判定に迷う場合は、無理に決めつけず専門家に肌を直接見てもらうのが早道です。
ご自身の跡がどのタイプか分からないまま対策を始めると、遠回りになりがちです。まずは見分けるところから、焦らずいきましょう。
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ニキビ跡は自然に治る?タイプ別の期間目安

赤みや浅い色素沈着はターンオーバーとともに数ヶ月〜1年程度で薄くなっていく場合が多い一方、クレーター・しこりは自然回復がほぼ見込めません。2026年8月時点の一般的な知見として、タイプ別の目安は次のとおりです。
| タイプ | 自然回復の見込み | 期間の目安 | 放置するリスク |
|---|---|---|---|
| 赤み | 見込みあり | 数ヶ月〜1年程度で薄くなる場合が多い | 摩擦・紫外線などの刺激で長引き、色素沈着へ移行することがある |
| 色素沈着(浅い) | 見込みあり | 数ヶ月〜半年程度で薄くなる場合が多い | 紫外線対策を怠ると濃くなり、残りやすくなる |
| 色素沈着(深い) | 変化が緩やか | 年単位かかる場合がある | 時間が経つほどセルフケアでの変化は限定的になりがち |
| クレーター・しこり | ほぼ見込めない | 自然な回復はほとんど期待できない | 対処が遅れても改善はせず、選択できる治療の負担が増える場合がある |
※期間は個人差が大きく、上記は保証ではなく一般的な目安です。「放置すれば消えるはず」と待てるのは赤み・浅い色素沈着タイプまでで、凹凸が残っている場合は時間で解決しない、というのがこの表の結論です。
▼ニキビの赤みを目立たなくする方法について詳しく知りたい方はこちら
【対処先マトリクス】セルフケア・エステ・皮膚科・美容皮膚科でできること

ニキビ跡への対処先は「セルフケア」「エステサロン」「皮膚科(保険中心)」「美容皮膚科(自由診療)」の4つです。タイプによって最適な組み合わせが変わり、クレーター・しこりの改善は医療機関(皮膚科・美容皮膚科)の領域です。
| タイプ | セルフケア | エステサロン | 皮膚科(保険中心) | 美容皮膚科(自由診療) |
|---|---|---|---|---|
| 赤み | ○ UV・保湿・摩擦回避 | ○ 肌環境を整えるサポート | ○ 再発を防ぐ治療の相談 | ○ レーザー・光治療等 |
| 色素沈着 | ○ UV対策+薬用美白化粧品(メラニンの生成を抑え防ぐケア) | ○ 角質ケアのサポート | △ 保険適用は限定的 | ○ ピーリング・レーザー等 |
| クレーター・しこり | × 改善は見込めない | × 医療の領域へ | △ しこり等は保険対応の場合あり | ◎ レーザー等の治療 |
※各対処先の詳細(何ができて何ができないか)は、この後の見出しで順に解説します。しこり・ケロイドの保険診療についてはステロイド注射などが対象になる場合があります。
それぞれの対処先で「できること・できないこと」を正直に整理します。
セルフケアでできる範囲
セルフケアでできるのは「跡を消すこと」ではなく、肌が回復しやすい環境を整え、悪化要因を取り除くことです。具体的には、紫外線対策、保湿、洗顔やマスクによる摩擦を減らすこと、ビタミンC誘導体などの美白有効成分(メラニンの生成を抑え、しみ・そばかすを防ぐ)を配合した薬用化粧品(医薬部外品)を「色素沈着をこれ以上濃くしない・新たな色素沈着を防ぐ」目的で取り入れること、睡眠・栄養などの生活習慣の見直しが柱になります。赤み・色素沈着タイプには意味のある土台づくりですが、クレーターには効果が見込めません。何をどこまで期待できるかの線引きはニキビ跡セルフケアの範囲と限界で詳しく解説しています。
エステサロンでできる範囲【正直にお伝えします】
先にはっきりお伝えすると、エステサロンはニキビ跡を治す場所ではありません。「治療」ができるのは医療機関だけです。
そのうえで、エステサロンにできるのは、赤み・色素沈着タイプの肌環境を整えて跡を目立ちにくくするケアのサポートです。具体的には、ハーブピーリングのような角質ケア・ターンオーバーをサポートする施術や、サロンの光フェイシャルによる肌のコンディションづくりが該当します。
注意点として、エステの光フェイシャルと医療機関のIPL治療は、機器の出力も法律上の扱いも異なります。色素への医療的な効果を求める場合は、美容皮膚科のIPL治療が該当します。
皮膚科(保険診療)でできること
皮膚科では、今あるニキビの治療(外用薬・内服薬)を保険診療で受けられます。ニキビを治すことは「これ以上跡を増やさない」ための最も確実性の高い手段とされています。一方、治まった後のニキビ跡そのものに対する保険適用は限定的で、しこり・ケロイドの治療(ステロイド注射など)は保険診療の対象になる場合があります。まず保険の範囲で相談したい方の入口として適しています。
美容皮膚科(自由診療)でできること
美容皮膚科では、ニキビ跡のタイプに応じた自由診療の治療を選べます。代表的なものは、ケミカルピーリング、レーザー治療(フラクショナルレーザー等)、ダーマペン、IPL(光治療)などです。費用は自由診療のため医院・機器・回数によって幅があり、複数回の施術を前提とする治療が多い点は把握しておきましょう(2026年8月時点。正確な費用は各院の公式情報で確認してください)。
皮膚科と美容皮膚科、エステの使い分けは皮膚科とエステの使い分けガイドで詳しく解説しています。
タイプ判定に迷ったら
自分のタイプ判定に迷う場合は、肌を直接見てもらうのが確実です。当サロンの無料カウンセリングやお近くの店舗(関東・関西)で肌状態を確認できます。なお、クレーター・しこりタイプの改善は医療の領域のため、美容皮膚科での治療をご検討ください。
タイプ別の対処法【詳細ガイドへの案内】

タイプが判定できたら、それぞれの詳しいケア方法は個別ガイドで解説しています。ここでは各タイプの対処の方向性だけをまとめます。
赤みタイプの対処
赤みタイプは3タイプの中で最も回復が見込みやすく、方向性は「刺激を与えず、自然な回復を待ちながら環境を整える」ことです。紫外線・摩擦を避け、保湿で肌のバリアを保ちつつ、必要に応じてサロンや医療機関のケアを組み合わせます。
具体的なケア手順と経過の見方はニキビ跡の赤みを目立ちにくくするケアガイドで解説しています。
色素沈着タイプの対処
色素沈着タイプの方向性は「メラニンを増やさない(UV対策)+肌が本来持つターンオーバーを妨げない環境を整える」の2本柱です。時間が経つほど変化が緩やかになるため、気づいた時点で対策を始めることが重要です。
有効成分の選び方やケアの詳細はニキビ跡の色素沈着ケアガイドで解説しています。
クレーター・しこり・ケロイドの対処【医療の領域】
クレーター・しこり・ケロイドは、セルフケアやエステでは改善が見込めない医療の領域です。ここは回り道をせず、皮膚科・美容皮膚科に相談してください。
医療機関では、凹みに対してはフラクショナルレーザー・ダーマペン・ピーリングなどで肌の再生を促す治療が、硬いしこりやケロイドに対してはステロイド注射などの治療が検討されます(治療の選択は凹みの型や状態によって医師が判断します)。「クレーターに効く」とうたう化粧品やセルフケア器具で時間を使うより、早めに医療の選択肢を確認するほうが結果的に近道です。
ニキビ跡が治りにくい人の共通点

同じタイプのニキビ跡でも、ターンオーバーの乱れ・睡眠や栄養の不足・ニキビを繰り返す肌環境があると、回復が遅れやすくなります。跡のケアと同時に、この「治りにくさの土台」を見直すことが遠回りのようで近道です。
ターンオーバーを乱す生活習慣
肌の回復はターンオーバー(生まれ変わり)が担っているため、それを乱す生活習慣は跡の回復も遅らせます。代表的なのは、睡眠不足、たんぱく質・ビタミンB群・ビタミンCなどの栄養不足、無意識に顔を触る・強くこするなどの摩擦習慣です。跡のケア用品を増やす前に、この3点を整えるほうが優先度は上です。
体質・内臓との関係
東洋医学では、肌は内臓の状態を映す鏡と考え、胃腸の不調や冷え・巡りの滞りが肌の回復力に影響するという見方をします。「同じケアをしているのに人より跡が長引く」と感じる場合、肌表面だけでなく体の内側の状態も併せて見直す価値があります。詳しくはニキビと内臓・体質の関係で解説しています。
ニキビを繰り返す限り、跡は増え続ける
見落とされがちな事実として、跡のケアだけを頑張っても、ニキビ本体が繰り返しできる状態が続く限り、新しい跡は増え続けます。特に同じ場所に繰り返すニキビは、同じ場所の炎症ダメージが蓄積して跡として残りやすい悪循環の典型です。
繰り返すニキビへの対策は同じ場所にニキビが繰り返しできる原因と対策と大人ニキビ完全ガイドで解説しています。跡のケアとニキビ本体の対策は、必ずセットで進めてください。
▼ハーブピーリングのニキビ跡への効果について詳しく知りたい方はこちら
これ以上ニキビ跡を増やさないための予防

跡を防ぐ最大のポイントは、「今あるニキビの炎症をできるだけ早く鎮め、触らないこと」です。跡になってからのケアより、跡にしない予防のほうが確実で負担も小さくて済みます。
炎症中のニキビを跡にしないケア
炎症が長引くほど、また炎症が深くなるほど跡は残りやすくなります。赤く腫れたニキビ・化膿したニキビを繰り返している場合は、自己流で粘らず皮膚科で治療を受けることが、結果的に最も有効な「跡予防」につながります。
なお、炎症中のニキビの赤みと「跡としての赤み」は別物です。炎症中の赤みを目立ちにくくする方法はニキビの赤みを目立たなくする方法で解説しています。
潰さない・触らない・こすらない
自分でニキビを潰すと、炎症が周囲や深部に広がり、クレーター化のリスクを自ら高めることになります。無意識に触る癖、洗顔時のこすり洗い、タオルでの強い拭き取りも同様に刺激になります。「手を顔に近づけない」を徹底するだけでも、跡のリスクは下げられます。
紫外線・摩擦対策(色素沈着化の防止)
炎症後の肌は色素沈着を起こしやすい状態です。紫外線を浴びるとメラニンの生成が進み、赤みで済んだはずの跡が茶色い色素沈着として定着しやすくなります。日焼け止めの習慣化と、マスク・寝具・髪などによる摩擦を減らすことが、色素沈着化を防ぐ基本です。
背中のニキビ・ニキビ跡が気になる方は背中ニキビの原因とケアを、結婚式を控えている方はブライダル前の背中ニキビ対策をあわせてご覧ください。
ニキビ跡に関するよくある質問

▼ニキビ跡の赤みについて詳しく知りたい方はこちら
まとめ|まずは自分のタイプを知ることから

本記事の要点は次のとおりです。
- ニキビ跡は「赤み」「色素沈着」「クレーター・しこり」の3タイプ。色・触感・押したときの変化・経過期間の4点で、写真がなくてもおおよそ自己判定できる
- 赤み・浅い色素沈着は数ヶ月〜1年程度で自然に薄くなる場合が多いが、クレーター・しこりは自然回復がほぼ見込めない「医療の領域」
- セルフケアとエステの守備範囲は「赤み・色素沈着タイプの肌環境づくり」まで。クレーターの治療は皮膚科・美容皮膚科へ
- ニキビを繰り返す限り跡は増え続けるため、跡のケアとニキビ本体の対策はセットで進める
自分のタイプがはっきりしない方、赤み・色素沈着タイプで肌環境から整えたい方は、当サロンの無料カウンセリングまたはお近くの店舗(関東・関西)で肌状態をご相談いただけます。遠方の方には30分無料のオンライン肌相談もご用意しています。予約の前にまず施術内容と料金を知りたい方は、施術メニューもご確認いただけます。
※本記事は一般的な情報提供を目的としており、個別の診断・助言に代わるものではありません。症状が重い場合、炎症や化膿が強い場合、判断に迷う場合は、皮膚科・美容皮膚科などの医療機関にご相談ください。
跡のタイプがご自身で判断しにくいときは、一度ご相談ください。今の肌に何ができるかを一緒に整理しましょう。
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※本記事の情報は2026年8月時点のものです。施術の料金・内容は各サロン・クリニックにより異なります。最新情報は各公式サイトをご確認ください。


















