皮膚科でもらえるニキビの薬は、医師の診断・処方が必要な医療用医薬品です。大きく分けて塗り薬(アダパレン・過酸化ベンゾイルなど)と飲み薬(抗菌薬・漢方など)があり、尋常性ざ瘡(ニキビ)は疾患として健康保険が適用されます(2026年8月時点)。
本記事は、ニキビ専門エステサロン「ニキビ研究所」が中立的な一般情報として、皮膚科で処方される薬の全体像を1枚の地図のように整理したものです。当サロンは医療機関でも薬局でもなく、薬の診断・処方・調剤は行いません。実際に使う薬の選択や使い方は、必ず処方する医師・薬剤師の指示に従ってください。
なお、市販薬(ドラッグストアで買える薬)の選び方はニキビの市販薬の選び方、そもそも皮膚科に行くべきか・受診の流れはニキビで皮膚科に行くべきかで別に解説しています。この記事は「処方される薬の中身」に絞ってお伝えします。
皮膚科で処方される薬には、それぞれ役割があります。医師の説明を理解する助けになるよう、中立に整理します。
記事執筆:ニキビ研究所所長 牛尾佳子
監修:院長医師 松永尚也 先生(Share Clinic Tokyo 目黒)
皮膚科でもらえるニキビの薬は「医師が処方する医療用医薬品」【前提と全体地図】

皮膚科のニキビ薬は、医師が症状や重症度を診断したうえで処方する医療用医薬品です。市販薬のように自分で選んで買うものではなく、外用薬(塗り薬)を土台に、必要に応じて内服薬(飲み薬)を組み合わせるのが基本的な考え方とされています。まずは全体像から確認してください。
処方薬と市販薬は何が違う?
処方薬(医療用医薬品)と市販薬(OTC医薬品)の最大の違いは、医師の診断を前提とするかどうかです。処方薬は医師が一人ひとりの重症度・肌質・妊娠の有無などを踏まえて選ぶため、市販薬にはない有効成分(アダパレンや過酸化ベンゾイルの配合剤など)も扱えます。一方の市販薬は、軽度のニキビにセルフケアとして使える手軽さが利点です。
どちらが優れているという優劣ではなく、「医師の診断が必要な段階か、セルフケアで様子を見る段階か」で選び分けるのが基本です。市販薬側の具体的な成分や選び方はニキビの市販薬の選び方と使い方にまとめているため、市販で対処したい方はそちらをご覧ください。本記事ではここから先、処方薬の中身に集中します。
皮膚科の薬 全体地図(外用/内服×成分×位置づけ×保険)
皮膚科のニキビ薬を俯瞰すると、次のように整理できます。特定の商品を推す地図ではなく、日本皮膚科学会の「尋常性痤瘡・酒皶治療ガイドライン2023」の位置づけに沿って中立にまとめたものです(2026年8月時点)。
※本記事に挙げる商品名は一般的な解説のための参照であり、当サロンが特定の医薬品の使用を推奨・勧誘するものではありません。実際の薬剤選択は診察した医師の判断によります。
| 区分 | 主な成分(代表的な商品名) | 位置づけ | 保険 |
|---|---|---|---|
| 外用(塗り薬) | アダパレン(ディフェリンゲル) | 面皰・炎症いずれにも使う第一選択の一つ | 保険適用 |
| 外用(塗り薬) | 過酸化ベンゾイル/BPO(ベピオゲル・ローション) | 殺菌+角層を整える第一選択の一つ | 保険適用 |
| 外用(配合剤) | アダパレン+BPO(エピデュオゲル) | 作用の異なる成分の配合剤。炎症性・中等症以上を中心に | 保険適用 |
| 外用(配合剤) | クリンダマイシン+BPO(デュアック配合外用ゲル) | 炎症性のニキビに。抗菌薬+BPO | 保険適用 |
| 外用(抗菌薬) | クリンダマイシン(ダラシンT)/ナジフロキサシン(アクアチム)/オゼノキサシン(ゼビアックス) | 炎症性に。単独長期は避ける | 保険適用 |
| 内服(抗菌薬) | ドキシサイクリン/ミノサイクリン/ロキシスロマイシン | 中等症〜重症の炎症期に短期併用 | 保険適用 |
| 内服(漢方) | 荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯など | 体質に合わせて補助的に | 保険適用(該当時) |
| 内服(ビタミン) | ビタミンB2・B6など | 皮脂・皮膚の代謝を補助 | 保険適用(該当時) |
| 内服(重症・難治) | イソトレチノイン | 国内未承認・扱う医療機関でのみ | 保険適用外(自費) |
| その他 | 低用量ピル・スピロノラクトン(ホルモン療法) | 主に女性・ニキビ目的は自費のことが多い | おおむね自費 |
この地図が示す通り、皮膚科のニキビ治療は「外用薬を軸に、重症度に応じて内服薬を足していく」構造になっています。ここからは、それぞれの中身を順に見ていきます。
保険診療で処方される主な外用薬(塗り薬)の種類と作用

保険診療でニキビに使われる主な塗り薬は、アダパレン・過酸化ベンゾイル(BPO)・両者やクリンダマイシンとの配合剤・外用抗菌薬の4系統です。中でもアダパレンとBPOは、面皰(コメド)にも赤いニキビにも使える基本の薬とガイドライン2023で位置づけられています(2026年8月時点)。それぞれ作用と注意点が異なるため、順に確認してください。
アダパレン(ディフェリンゲル)|毛穴の角化を整える
アダパレン(商品名: ディフェリンゲル0.1%)は、毛穴の出口の角化(角質のたまり方)を整え、ニキビの元になる面皰(コメド)ができにくい状態に導くとされる外用レチノイドです。まだ表面に出ていない微小な面皰にも働きかけるとされ、赤ニキビだけでなく「これからできるニキビ」を抑える目的でも使われます。
注意点として、妊娠中・妊娠している可能性のある方は使用できません(禁忌)。また使い始めに乾燥・皮むけ・ヒリつきが出ることがあり、日中は紫外線の影響を受けやすくなるため日焼け止めの併用が推奨されます。使い方の詳細は必ず処方時の説明と添付文書に従ってください。
過酸化ベンゾイル・BPO(ベピオゲル/ローション)|殺菌と角層ケア
過酸化ベンゾイル(BPO、商品名: ベピオゲル・ベピオローションなど)は、アクネ菌などを減らす殺菌作用と、古い角層をはがして毛穴の詰まりを整える作用を併せ持つとされる外用薬です。抗菌薬と違い耐性菌ができにくいとされ、アダパレンと並ぶ第一選択の一つに位置づけられています。
注意点は、衣類・タオル・髪などに触れると漂白(脱色)する作用があること。就寝時に使う場合は枕カバーの色移りに注意が必要です。こちらも使い始めに乾燥・刺激が出ることがあります。まれに強いかぶれ(アレルギー性接触皮膚炎)が起こることがあるため、赤みや腫れが強いときは自己判断せず処方医に相談してください。
配合剤(エピデュオ/デュアック)|作用の異なる成分を1本に
配合剤は、作用の異なる成分を1本にまとめた外用薬で、炎症性ニキビや中等症以上を中心に、症状に応じて用いられます。実際の使用段階は医師が判断します。代表的なのは次の2つです(2026年8月時点)。
- エピデュオゲル: アダパレン+過酸化ベンゾイル。角化を整える作用と殺菌・角層ケアの作用を1本で得られる配合剤とされます。
- デュアック配合外用ゲル: クリンダマイシン(抗菌薬)+過酸化ベンゾイル。炎症性のニキビに用いられ、BPOを組み合わせることで抗菌薬の耐性菌リスクを抑える狙いがあるとされます。冷所(冷蔵)保管が必要な点に注意してください。
いずれもBPOを含むため、漂白作用や初期の刺激の注意はベピオと同様です。配合剤は成分が強めに働くぶん、乾燥対策(保湿の併用)が続けるうえで重要になります。
外用抗菌薬(ダラシンT/アクアチム/ゼビアックス)|単独長期を避ける理由
外用抗菌薬は、炎症を起こした赤いニキビの菌に働きかける塗り薬です。代表的な成分と商品名は、クリンダマイシン(ダラシンTゲル・ローション)、ナジフロキサシン(アクアチムクリーム・ローション)、オゼノキサシン(ゼビアックスローション・油性クリーム)です。
重要なのは、外用抗菌薬を単独で長期間使い続けることは、耐性菌(薬が効きにくい菌)を生むため避けるべきとガイドライン2023で示されている点です。そのため実際の処方では、アダパレンやBPOと併用し、炎症が落ち着いたら抗菌薬は区切る、という使い方が基本とされます。「同じ塗り薬をずっと出してもらう」ことが必ずしも良いとは限らない、という点を知っておくと、処方の意図を理解しやすくなります。
外用薬まとめ表
| 成分(商品名の例) | 主な作用 | 主な注意点 | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| アダパレン(ディフェリンゲル) | 毛穴の角化を整える | 妊娠中は使用不可・光線過敏・初期の乾燥 | 第一選択の一つ |
| 過酸化ベンゾイル(ベピオ) | 殺菌+角層ケア | 漂白作用・初期の刺激 | 第一選択の一つ |
| エピデュオゲル | 角化ケア+殺菌(配合) | 漂白作用・初期の刺激 | 炎症性・中等症以上を中心に |
| デュアック配合外用ゲル | 抗菌+殺菌(配合) | 冷所保管・漂白作用 | 炎症性向け |
| 外用抗菌薬(ダラシンT等) | 炎症の菌に働く | 単独長期は避ける(耐性菌) | 併用が基本 |
※各薬剤の詳細な用法・禁忌・保管条件は添付文書と処方時の説明に従ってください。
内服薬(飲み薬)の種類と使われ方

ニキビの飲み薬は、塗り薬だけでは追いつかない中等症〜重症の炎症期に、外用薬と併用して使われるのが基本です。主に内服抗菌薬・漢方・ビタミン剤があり、重症・難治のケースではイソトレチノインやホルモン療法が検討されることもあります。いずれも医師の判断が前提で、飲み薬だけで治すというより外用薬を支える位置づけです(2026年8月時点)。
抗菌薬(ドキシサイクリン・ミノサイクリン・ロキシスロマイシン)
内服抗菌薬は、赤く腫れた炎症性のニキビが広がっている中等症以上の時期に使われます。代表的なのはドキシサイクリン・ミノサイクリン(テトラサイクリン系)、ロキシスロマイシン(マクロライド系)などです。
ポイントは、耐性菌を避けるため短期間(目安として3か月程度)にとどめ、外用薬と併用するのが原則とされること。炎症が落ち着いたら内服は区切り、その後は外用薬による維持に移行していくのが一般的な流れです。テトラサイクリン系には光線過敏や、妊娠中・小児で使えない場合があるなどの注意があり、飲み合わせを含めて医師・薬剤師の指示に従う必要があります。継続期間を自己判断で延ばさないことが大切です。
漢方(荊芥連翹湯・清上防風湯・十味敗毒湯など)
漢方薬は、体質(東洋医学でいう「証」)に合わせて補助的に用いられることがあります。ニキビでよく名前が挙がるのは、荊芥連翹湯(けいがいれんぎょうとう)、清上防風湯(せいじょうぼうふうとう)、十味敗毒湯(じゅうみはいどくとう)などです。
漢方は「誰にでも同じものが効く」わけではなく、体質や症状の出方によって向き不向きがあります。体質に合わせた選択が必要なため、必ず医師・薬剤師に相談してください。市販の漢方を自己判断で長期に使うより、皮膚科や漢方に詳しい医療機関で相談するほうが安全です。
ビタミン剤(B2・B6など)
ビタミンB2・B6は、皮脂の分泌や皮膚の代謝に関わるとされ、補助的に処方されることがあります。ニキビの主役の薬というより、外用薬・抗菌薬による治療を内側から支える位置づけです。過度な期待をかけるものではありませんが、副作用が比較的少なく取り入れやすい選択肢とされています。
重症・難治のイソトレチノイン|国内未承認・自費・厳密な管理下でのみ
イソトレチノインは、重症・難治性のニキビに用いられる内服薬として海外で使用されていますが、日本では未承認であり、保険適用外・自費の適応外使用となります。効果や適応の判断は、取り扱いのある医療機関の医師にゆだねられ、医師の厳密な管理下でのみ処方されます。日本皮膚科学会のガイドライン2023では、保険治療でコントロールできない重症・難治例の選択肢として言及されているものの、国内未承認であることを理由に明確な推奨度は示されていません(2026年8月時点)。
イソトレチノインには催奇形性(妊娠中は重大なリスク)をはじめとする重い副作用があり、使用中・使用後の一定期間は厳格な避妊などの管理が求められます。だからこそ、個人輸入や海外通販で入手し自己判断で使うことは絶対に勧められません。検討する場合は、必ず取り扱いのある医療機関で医師の管理下に置いてください。
ホルモン療法(低用量ピル・スピロノラクトン)|主に女性・多くは自費
生理前に必ず悪化する、フェイスラインや顎に繰り返すといった女性のニキビでは、ホルモンの影響が背景にあることがあります。この場合、低用量ピル(経口避妊薬)やスピロノラクトン(抗アンドロゲン作用のある薬)といったホルモンへ働きかける治療が選択肢になることがあります。ニキビ目的では自費となることが多く、低用量ピルでは血栓症、スピロノラクトンでは高カリウム血症・月経不順などと薬剤ごとにリスクが異なり、適応の判断も必要なため、皮膚科・婦人科で相談してください。
内服薬まとめ表
| 分類 | 主な薬 | 使われる場面 | 保険/自費 | 主な注意 |
|---|---|---|---|---|
| 抗菌薬 | ドキシサイクリン等 | 中等症〜重症の炎症期 | 保険 | 短期・外用と併用・光線過敏 |
| 漢方 | 荊芥連翹湯等 | 体質に合わせて補助的に | 保険(該当時) | 医師・薬剤師に相談 |
| ビタミン | B2・B6等 | 補助的に | 保険(該当時) | 主役ではなく補助 |
| イソトレチノイン | イソトレチノイン | 重症・難治 | 自費(国内未承認) | 催奇形性・厳密管理・個人輸入不可 |
| ホルモン療法 | 低用量ピル・スピロノラクトン | 主に女性のホルモン性 | 多くは自費 | 薬剤ごとにリスクが異なる(ピル=血栓症/スピロノラクトン=高K血症等)・要相談 |
▼皮膚科に行っても治らない理由について詳しく知りたい方はこちら
外用薬の副作用(初期の刺激・乾燥=A反応)と使い続けるコツ

アダパレンや過酸化ベンゾイルを使い始めると、乾燥・皮むけ・赤み・ヒリつきが出ることがあります。これは「A反応(初期の反応)」と呼ばれ、多くは使い始めの数週間で落ち着くとされます。ここで自己判断でやめてしまうと効果を得る前に中断することになりやすいため、上手に付き合うコツを知っておくことが大切です(2026年8月時点)。
A反応(レチノイド反応)とは|いつ落ち着く?
A反応は、アダパレンなどのレチノイドやBPOが毛穴の角化・古い角層に働きかける過程で起こる、使い始めの一時的な刺激反応として知られています。個人差はありますが、多くは使い始めの1〜2週間をピークに、数週間かけて落ち着いていくとされます。
ただし、これは「必ず我慢すべき」という意味ではありません。刺激があまりに強い、腫れや強いかぶれがある、長く続いて生活に支障が出る——といった場合は、A反応ではない可能性もあります。自己判断で中断せず、処方した医師に相談してください。使う量や頻度を調整することで続けやすくなることもあります。
つらい刺激を減らして続けるコツ
A反応を乗り切って薬を続けるための工夫を、実践しやすい形でまとめました。医療機関で受けた指示が優先されますが、一般的な続け方の目安として参考にしてください。
| コツ | 具体的にどうする | 狙い |
|---|---|---|
| 保湿を併用する | 洗顔後、薬の前後に低刺激の保湿剤で肌を整える | 乾燥・皮むけをやわらげる |
| 少量から始める | 最初は少なめ・塗る範囲を絞る/隔日から慣らす(医師の指示内で) | 刺激を段階的に慣らす |
| 夜に使う | 塗布は夜のスキンケア時に | 日中の紫外線の影響を避ける |
| 日焼け止めを使う | 日中は紫外線対策を習慣に | 光線過敏・色素沈着を避ける |
| 自己中断しない | つらいときは中断より先に処方医へ相談 | 効果を得る前の脱落を防ぐ |
続けるうえでの合言葉は「やめる前に、まず医師に相談」です。合わないと感じたときこそ、量や使い方の調整で解決できることが少なくありません。
保険適用の範囲と費用の目安【2026年8月時点】

尋常性ざ瘡(ニキビ)は疾患のため、皮膚科の外用薬・内服薬・面皰圧出などの処置には健康保険が適用されます(3割負担)。受診1回あたりの窓口負担は、おおむね1,000〜3,000円程度が目安です(内容により変動)。一方で、美容目的の施術は自費になります(2026年8月時点)。
保険が使えるもの・自費になるもの
| 区分 | 主な内容 |
|---|---|
| 保険適用(3割負担) | 診察、外用薬(アダパレン・BPO・配合剤・外用抗菌薬)、内服薬(抗菌薬・漢方・ビタミン)、面皰圧出などの処置 |
| 自費(保険適用外) | ケミカルピーリング、レーザー・光治療、イソトレチノイン、ホルモン療法(ニキビ目的の低用量ピル等) |
外用薬そのものの薬価は品目により幅がありますが、3割負担では数百円台〜のことが多いとされます。薬価は改定で変動するため、正確な金額は受診時に確認してください。初診では検査や診察料が加わり、2,000〜4,000円程度になることもあります。
なお、通院が難しい場合、オンライン診療でも医師の診断のもと保険でニキビ薬を処方してもらえるケースがあります(対応は医療機関によって異なります)。詳しい受診の流れや、そもそも受診すべきかの判断はニキビで皮膚科に行くべきか・受診の流れをご覧ください。
処方薬を「効かない」と感じる前に、使う期間と塗り方を確認してみてください。初期の刺激で自己判断してやめてしまう方が意外と多いんです。
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薬で炎症が治まっても繰り返すのはなぜ?維持と体質のアプローチ

薬はニキビの炎症を抑える強力な柱ですが、再発を防ぐには「薬による維持療法」に加えて、皮脂・角化・生活習慣・肌質の見直しが必要とされています。「薬で一度きれいになったのに、やめるとまた出る」という繰り返しには理由があります。ここを理解することが、堂々巡りから抜け出す第一歩です(2026年8月時点)。
薬の維持療法|炎症が治まった後も続ける理由
ガイドライン2023では、炎症が落ち着いた後もアダパレンやBPOによる維持療法を続け、目に見えない微小な面皰(コメド)を抑えることが再発予防の柱とされています。抗菌薬で炎症を鎮めた段階で治療を完全にやめてしまうと、ニキビの「芽」である面皰がまた育ち、同じサイクルに戻りやすくなります。
つまり「炎症が消えた=治療完了」ではなく、そこからの維持が繰り返しを防ぐ鍵、という考え方です。維持療法の内容や期間は、必ず処方医の指示に従ってください。
それでも繰り返す背景|皮脂・角化・生活習慣・肌質
薬を正しく続けても繰り返す場合、背景に皮脂の分泌傾向・毛穴の角化のクセ・睡眠や食事などの生活習慣・もともとの肌質といった、薬だけでは変えきれない要因が重なっていることが少なくありません。ニキビのできる場所と体の内側の関係という視点はニキビの場所と内臓の関係で、顎など部位ごとの繰り返しやすさは顎ニキビの原因と対処法で解説しています。
「治っても同じ場所に繰り返す」という現象そのもののメカニズムは、同じ場所にニキビが繰り返すメカニズムで掘り下げています。薬を使ってもなかなか効果が続かないと感じる場合は、ニキビの薬が効かないと感じるときの考え方もあわせてご覧ください。
薬・皮膚科・サロンは役割が違う|中立の第3の選択肢
大切なのは、薬・皮膚科・スキンケア(サロン)はそれぞれ役割が違うという理解です。炎症が強い・化膿している・しこりになっているニキビは、まず皮膚科での治療が最優先です。そのうえで、「薬で炎症は治まるのに、やめると繰り返す」段階では、肌質や生活習慣そのものを見直す視点が加わると立て直しやすくなります。医療とエステの使い分けは皮膚科とエステの使い分け、薬をひと通り試しても改善しない場合の考え方は皮膚科に行ってもニキビが治らない場合の考え方にまとめています。
「皮膚科の薬で炎症は治まる。でも、やめるとまた繰り返す」——その段階の方へ。
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※記載は一般的な相談傾向であり、施術等の効果や結果を保証するものではありません(感じ方には個人差があります)。
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個人輸入・自己判断使用はなぜ勧められないか【安全のために】

ニキビの薬を、個人輸入や海外通販で手に入れて自己判断で使うことは勧められません。特にイソトレチノインは重大な副作用があり、医師の管理なしの使用は危険です。安く早く手に入るように見えても、成分量や品質が保証されず、副作用が出たときの対応も難しくなります(2026年8月時点)。
処方薬が医師の診断を前提とするのは、一人ひとりの重症度・肌質・妊娠の有無・飲み合わせを踏まえて安全に使うためです。個人輸入した薬にはこの前提が丸ごと抜け落ちます。炎症が強い・化膿している・しこりになっている・広範囲に広がっているニキビは、自己流を続けず皮膚科を受診してください。それが、遠回りに見えて最も確実で安全な道です。
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よくある質問(FAQ)

まとめ|薬は皮膚科で、繰り返す肌は見直しから

- 皮膚科でもらえるニキビの薬は医師の診断・処方が必要な医療用医薬品。外用薬(アダパレン・過酸化ベンゾイル・配合剤・外用抗菌薬)を軸に、重症度に応じて内服薬(抗菌薬・漢方・ビタミン)を組み合わせる
- 尋常性ざ瘡は健康保険が適用(3割負担)。受診1回はおおむね1,000〜3,000円程度が目安。ピーリング・レーザー・イソトレチノイン・ホルモン療法は自費(2026年8月時点)
- 使い始めの乾燥・刺激(A反応)は多くが数週間で落ち着くとされる。つらいときは自己中断せず処方医に相談を
- イソトレチノインは国内未承認・自費で、扱う医療機関の管理下でのみ。個人輸入・自己判断使用は勧められない
- 炎症が強い・化膿・しこり・広範囲のニキビは、まず皮膚科の治療が最優先
- 薬で炎症が治まっても繰り返すなら、維持療法+生活習慣・肌質の見直しを。薬・皮膚科・スキンケアは役割が違う
薬は炎症を抑える確かな味方です。皮膚科をきちんと使いながら、それでも繰り返す肌には「見直し」という次の一手があります。焦って強い薬や自己流に走るより、原因の全体像を理解して一つずつ整えていくことが、鏡を見るのが憂うつな毎日から抜け出す近道です。
「薬で炎症は治まる。でも、また繰り返す」——その繰り返しを、肌質・生活から見直しませんか。
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※本記事は一般的な情報提供を目的としており、医薬品の使用は添付文書・薬剤師や医師の指示に従ってください。個別の診断・治療に代わるものではありません。症状が重い・長引く場合は医療機関を受診してください。当サロンは医療機関ではなく、薬の診断・処方・調剤は行いません。
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